財産分与の基本

財産分与とは、婚姻中に夫婦で築いた財産を離婚時に分ける制度です。原則として2分の1ずつ分けます(2分の1ルール)。専業主婦・主夫であっても、家事・育児によって財産形成に貢献したとみなされます。

財産分与の対象になるもの

分与対象(婚姻中に築いた共有財産)
  • 預貯金(婚姻後に貯めたもの)
  • 不動産(婚姻後に購入したもの)
  • 自動車・家具・家電
  • 株式・投資信託・保険の解約返戻金
  • 退職金(婚姻期間に対応する部分)
分与対象外(特有財産)
  • 婚姻前から持っていた財産
  • 婚姻中に相続・贈与で得た財産
  • 結婚前から持っていた借金
⚠️ 財産分与の請求権は離婚成立から2年で時効になります。離婚後に「やっぱり請求したい」と思っても2年を過ぎると請求できなくなります。

住宅ローンが残っている場合

オーバーローン(不動産の価値よりローン残高が多い)の場合、財産分与の対象がマイナスになります。売却するか、どちらかが住み続けてローンを払い続けるかを決める必要があります。名義変更・ローンの引き継ぎには金融機関の同意が必要なため、弁護士への相談をおすすめします。

養育費の決め方

養育費は、子どもを引き取らない親(非監護親)が、子どもを育てる親(監護親)に払うお金です。子どもが成人(18歳)になるまで、または大学卒業まで払うケースが多いです。

養育費の相場

裁判所が公表している「養育費算定表」をもとに決めます。双方の収入・子どもの人数・年齢によって金額が変わります。

養育費の目安(子ども1人の場合)
  • 支払う側の年収300万円・受け取る側の年収0円:月2〜4万円
  • 支払う側の年収500万円・受け取る側の年収0円:月4〜6万円
  • 支払う側の年収700万円・受け取る側の年収0円:月6〜8万円

養育費が払われなくなったとき

離婚協議書を公正証書にしておくと、不払いの場合に裁判なしで給与・預金の差し押さえができます。公正証書にしていない場合は、家庭裁判所に「履行勧告」を申し立てるか、調停・審判で取り決めをする必要があります。

ℹ️ 2020年の法改正で養育費の差し押さえ要件が緩和されました。以前より取り立てがしやすくなっています。不払いの場合は早めに弁護士・家庭裁判所に相談してください。
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慰謝料が発生するケース

慰謝料は、離婚の原因を作った側(有責配偶者)が相手に払うお金です。すべての離婚で発生するわけではありません。

慰謝料が認められやすいケース

⚠️ 「性格の不一致」「価値観の違い」だけでは慰謝料は発生しません。慰謝料を請求するには「相手に非がある証拠」が必要です。

不倫相手への慰謝料請求

不倫の場合、配偶者だけでなく不倫相手にも慰謝料請求できます。ただし二重取りはできません(配偶者と不倫相手を合わせた総額が上限)。不倫相手への請求は弁護士に依頼するのが一般的です。

年金分割

婚姻中に厚生年金・共済年金を納めた場合、離婚時に年金記録を分割できる制度です。分割した分だけ、将来受け取る年金額が変わります。

年金分割の種類

ℹ️ 年金分割の請求期限は離婚から2年以内です。忘れがちな手続きなので注意してください。年金事務所で手続きできます。

離婚協議書・公正証書の重要性

口約束や普通の書面では、後から「言った言わない」のトラブルになることが多いです。特に養育費・財産分与・慰謝料の取り決めは公正証書にすることを強くおすすめします。

公正証書にするメリット

公正証書作成の費用目安
  • 公証人手数料:1〜3万円程度(金額によって変わる)
  • 弁護士に依頼する場合:5〜15万円程度
  • 自分で作成して公証役場で認証してもらうことも可能

まとめ

  1. 財産分与は婚姻中に築いた財産を原則2分の1ずつ分ける(離婚から2年で時効)
  2. 養育費は算定表をもとに決め・公正証書にして不払い時の差し押さえに備える
  3. 慰謝料は「相手の非の証拠」がある場合に請求できる
  4. 年金分割の請求も離婚から2年以内に忘れずに
  5. 取り決めは必ず公正証書にする
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📌 参考・出典
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監修・執筆
よりそいマネー編集部
借金・債務整理に関する情報をわかりやすく提供することを目的として運営しています。記事の内容は公開情報・法令をもとに作成していますが、個別の法律相談は専門家にご確認ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的アドバイスではありません。具体的な手続きについては、弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。